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目次
低体温傾向
現代人は低体温化傾向が進み、からだが冷えていると言われていますが、この状態が進むとからだの機能も低下してしまいます。体温が一度下がると免疫力が30%低下、基礎代謝は12%低下すると言われています。様々な病気の原因にもなりかねないですから、平熱36度以上を保ちたいですね。健康な人の体温は概ね36度~37度で調節されています。
冷えのサイン
冷えていると自覚のない人もいるかもしれませんが、こんな症状があれば「冷え」のサインです。お腹が冷たい 眼の下のクマ 青あざができやすい 生理不順や不正出血があるなど。体温を測って自分の平熱を知り、身体の状態に注意を向けてみてくださいね。
冷えにつながる習慣
冷房の影響 過度のストレス 運動不足 湯船に入らない 冷やす食品を摂りがち 長期間の薬の服用(鎮痛剤をはじめ殆どの薬はからだを冷やす)
心当たりあれば、出来るところから見直していきましょう。
体温を上げるには
体温を上昇させるのにもっとも効果的なのは運動です。筋肉で熱が作られる割合が大きく、その筋肉の70%以上が下半身に集中しているので、下半身を鍛える運動、例えばウォーキングやスクワットがおすすめです。忙しくて時間がなかなか取れないという場合は、手っ取り早く食生活の見直しから始めることもできます。
食材を選ぶ
薬膳の基礎になっている考え方に、世の中にあるすべてのものは「陰」と「陽」とでできている(陰陽説)というのがあります。からだの状態も陰と陽のバランスのとれた状態が健康であるとしています。
食べ物を分類するにも「陰」と「陽」で分け、からだを冷やしたりする作用があるものが陰性、温める作用のあるものが陽性、ちなみに陰と陽の中間にある食べ物が中庸(雑穀類)です。食べているものが偏っていないか目安にすることができますね。
陰性の食物の特徴
夏や暑い地方で採れるもの 精白されたもの カリウムの多いもの 上や横に広がるもの 水分が多いもの
パイナップル バナナ メロン すいか ピーマン ナス トマト きゅうり 葉野菜 きのこ類 白砂糖 クリーム バター パン うどん インスタント食品 レトルト食品 スナック アイスクリーム チョコレート ケーキ はちみつ ジュース 牛乳 ビール コーヒー 水 酢 緑茶 化学調味料 化学薬品 サプリメント
陽性の食物の特徴
冬や寒いところでとれるもの 未精製のもの ナトリウムの多いもの 引き締まっているもの 地下で垂直に伸びるもの
イワシなど小魚 タコ ハマグリ わかめ ひじき 昆布 黒豆 小豆 くるみ ごま 切干大根 たくあん 根菜類(ごぼう 人参 れんこん) 有精卵 天然味噌(できれば3年位熟成したもの)天然醤油( ” ) 梅干し 自然塩 番茶 梅しょう番茶
食材の組み合わせや調理法
- 食材の組み合わせや調理法で、陰と陽を調和して食べることができます。
- 熱は陽性なので加熱すると陰性の食材を調和することができます。(炒める 煮る 焼く)
- 漬物や発酵食品(醤油、味噌)は陰性の大豆類や野菜類を保存し調和して陽性化します。
簡単なインスタントなものを食べていると体調が思わしくなくなりますが、これを見るとなるほど冷えるほうに助長され、血液循環が悪くなっているからなんだとわかります。血液の中を、酸素や栄養、神経伝達物質であるホルモンは運ばれていきますね。からだを冷やすものを長年摂り続ければ血液の汚れに直結し影響がでてしまいます。
冷えを感じるタイプとしては、もう若さで乗り切ることは出来ない💦と感じていますので、できる範囲で温める食材を選んだり、陰性のものは加熱したり、陽性と組み合わせて摂るようにしています。
最強温め野菜 しょうが
料理をしなくても手軽に摂り入れられる温め食材、しょうがは特におすすめです。にんにくほど刺激が強くないので、毎日少しずつ摂ることができます。冷えむくみにお悩みの方、ダイエットしても思うように結果がでないという方、からだを温めて解消していきましょう。
しょうが
学名:Zingiber officinalis
原産地:熱帯アジア
利用部位:根茎
用途:料理 お茶 美容など
効能:血行促進 鎮吐 殺菌 発汗 風邪の症状緩和 鎮痛 代謝促進 脂肪分解 冷え性改善など
世界中で使われる生姜(ジンジャー)は万能です。
漢方では生薬として気力・体力・免疫力を高める作用があると言われ、医療用漢方薬の7割以上に使われています。風邪薬として葛根湯は有名ですね。
1 とにかくからだを温める
しょうがの薬効成分は400種類以上といわれ、ジンゲロール、ショウガオール、カプサイシンなどの辛み成分は有名です。しょうがの辛み成分は代謝を高めるので、結果、血行が良くなり体温が上がります。生のしょうがに含まれるジンゲロールは血行促進作用で末端を温めますが、加熱すると一部がショウガオールに変化し、からだを芯から温める作用が強力になります。発汗が促されるようになれば、からだに溜まった余分な水分が排出されやすくなりめぐりがよくなります。
2 免疫力を高める
ジンゲロールは白血球の数を増やしその働きを促進して免疫力を高めます。
3 抗酸化作用で老化防止
ジンゲロールやショウガオールは、からだや肌を錆びつかせる活性酸素を取り除く抗酸化作用があります。
4 体内を浄化する
しょうがをとり体温が上がると血液の循環がよくなり、発汗、排せつ作用が促され、体内にたまった余分な水分や老廃物などの排出作用が高まります。
こんなに素晴らしいしょうがパワーを摂り入れるには、毎日少量でもとり続けることが大切です。
簡単な使い方
薬味
しょうがをすりおろしてジップロックに平らにして冷凍保存したものを、使う分だけ折りながら味噌汁やスープ、うどんなどに入れて使うのも便利です。スパイスコーナーに売っているしょうがパウダーを同じように使うこともできます。
生姜紅茶
コーヒー(陰性)好きなのですが、最近では生姜紅茶に置き換えてコーヒーの量を減らすようにしています。紅茶を飲んだ後はお腹の中が温まるのを感じます。習慣になるとだいぶ違ってきます。
*作り方は、紅茶(陽性)にすりおろししょうがまたはパウダーを加えるだけです。ビタミンやミネラルたっぷりの黒糖(陽性)を加えると満足感があり、甘いものを摂りたい時にもおすすめです。
梅醤番茶
(うめしょうばんちゃ)と読みますが、血流が良くなりからだが元気になる飲み物です。胃腸が疲れていると感じた時は梅醤番茶(陽性)が活躍しています。自分で作るのもよいですが、瓶詰で売っているのでお湯に溶かすだけで簡単に作れて重宝します。最初は美味しく感じませんでしたが、今では小腹がすいたときにも飲んでいます。お腹を壊した時にも強い味方です。但し、飲みすぎは塩分の摂りすぎになるため注意です。
*作り方は、梅干しの果肉と天然醸造の醤油をよく練り、すりおろしたしょうがを加えたものに熱い番茶を注ぎます。
少しの手間で美味しく安全な冷え予防を始めてみませんか?
注意点
合わない方もいるようです、しょうがを食べると気持ち悪くなる、苦手な方は無理しないほうがよいですね。あくまでも自分の感覚が大切です。また、39度以上発熱している時、皮膚が極度に乾燥している、尿がでなかったり明らかに脱水症状がある時は、悪化させるかもしれないのでお控えください。
参考書籍
・医学博士 石原結實 「生姜力」 主婦と生活社
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